RSGT2021 あるカメラスタッフの視点
先日2021年1月6日から8日の三日間、RSGT2021がありました。 例年通りカメラスタッフとして参加してきました。 カメラスタッフとしての視点から今年のハイブリッドRSGT2021をカメラスタッフの備忘録も兼ねて書き出してみます。
目次
RSGTカメラスタッフとは?
そもそもカメラスタッフに必要なものは何か?機材と気持ちだけです。 カメラスタッフになるためにはまず普通にスタッフ募集に応募します。その際、手伝えることという欄にカメラ撮影的なものがありますのでそれにチェックを入れます。これでスタッフ応募に通ればもうあなたはカメラスタッフ候補です。後は当日カメラ機材を持っていけば、カメラスタッフとして確定します。当日までそもそも何をしたらいいのか、カメラ機材を持っていっても良いのか?そのあたり不安になりますが、毎年皆同じなので気にせずカメラ持っていけばOKです。できれば開催日当日ではなく前日の準備設営日にカメラを持っていことをお勧めします。会場説明後のホワイトバランスチェックとかそういうこともありますが、より強く私はカメラ出来ますよってアピールするためです。そうしないと自分がカメラやるのかどうかわからないままになるので、早めに確定させたほうが安心です。
カメラ機材
カメラ機材なのですが、できれば一眼レフが良いかなと思います。ミラーレス一眼が良いかどうかですが、ミラーレスのほうがシャッター音消せていいなと思いますが、別に普通の一眼レフでも大丈夫です。というか私が使っているのは古めのデジタル一眼レフなので、シャッター音が消せなくて(物理的に音が出る)講演中の人の邪魔しないかどうか時々気になっているのでミラーレスがいいかなと書きました。 一眼がいい理由は、カメラスタッフとわかりやすいからです。RSGT最初の説明時に川口さんからスマホのシャッター音を鳴らさないようにとの通達があります。そのためかシャッター音に対して過敏な参加者の方もおられます。ですが、大きめの一眼を使うことで、記録係とか書かれた腕章やたすきがなくとも、参加者の方から見てわかりやすくカメラスタッフに見えるので、シャッター音を鳴らしたり、講演中に(静かにですが)講演者側に移動しても、無視してもらえるようになります。
私の機材
- Sony α77markII (APSC)(16mm-50mm / 70mm-300mm)
- Sony RX100M5
- 外付けフラッシュ
RX100はスナップ用です。メインはα77です。こんな古めのカメラでも一応スタッフ出来るので、やりたい人は目安にしてください。
求めらている(と思っている)写真
さてカメラスタッフになったら写真を撮りますが、どのような写真を撮影する必要があるのか?
1. 講演中の登壇者の写真
RSGTでは多数の講演があります、その講演に来てくださっている登壇者の人たちの写真を撮る。
登壇者の方がSNSで、“登壇DONE"ってするための写真
登壇者の方々にお渡しする用の写真を撮ります。出来ればバストショット、もしくは上半身ぐらいのアップで、ひと目でRSGTに参加している写真とわかるのが良いので、スピーカーTシャツ着てくださっていると非常にやりやすい。もしくはパネルとの位置関係で参加しているとわかるとなお良い。
ベストな写真は
- スピーカーTシャツを着用
- 後景としてRSGTのパネルが見えていて、何年のRSGTかわかる文字が見えている
- 前景として観客の頭が邪魔にならないように入っている(わいわい感
- 後景としてプロジェクターに資料が投影されているのがわかる
さらにこれに、目をきっちり開いてぶれてなくて笑顔などが追加されるのですが、これらが全て合わさった写真を撮るのは不可能に近いので、上記要素をできるだけ入れて撮影します。
大事なことはその写真を自分だったら"登壇DONE"ってSNSに投稿するのか?って考えて撮ること。
入口パネル前でのサイン後の写真
登壇者は登壇後、会場入口近くに設置されている大型パネルにサインをすることが出来ます。その際に記念撮影をします。多分この仕事と集合写真が公式度の高いRSGTのカメラスタッフの仕事です。他の仕事は全てカメラスタッフに余裕があればって感じです。
2. ワークショップの写真
RSGTではワークショップを行う場合もあり、
- 開始時、ワークショップ提供側の説明風景
- ワークショップ中の皆の様子
- 最後に参加者と提供者合わせた集合写真
を撮ります。
3. OSTの写真
最終日はOSTがあります。OSTでは
- お題発表者の様子
- 皆が議論している様子
などを撮り収めるようにしていますが、今年はファインダー越しに見ると参加しているのか休憩しているのかわからない人が多かった気がします。携帯越しに議論を見てたりしてるので、絵的には何しているのかなぁとなってしまう。
4. コーチーズクリニックの写真
RSGTでは毎年コーチーズクリニックが行われており、無料で短めのコーチングセッションが受けられます。その様子を無理の無い範囲で撮影しておきます。これはコーチを受ける人、コーチする人が主題ではなく、コーチーズクリニックというセッションの記録として収めておきます。
5. スポンサーブースの写真
シルバースポンサー以上のスポンサーは会場にブースを設営しています。そのブースの様子を撮影しておきます。出来れば何かやっている風な感じを撮るようにしています。今年はそもそもオンラインオンリーの設営や企画をしない感じのブースが多かったように思いました。
6. 集合写真
最終日に撮影する集合写真です。大事なことは声かけと、失敗しても気にしない胆力。年々集合写真に入る人数が多くなってきているので、そろそろ魚眼レンズが必要じゃないかとか、フルサイズ18mmぐらい必要かなぁとか思うけど、今年は会場参加人数少なかったので、24mm相当で問題ありませんでした。
7. スナップ写真
上記の写真は主役ありきの写真ですが、スナップ的に皆の様子を残していきます。用途としてはRSGTのサイトで使ったり、後はなんとなく思い出的な事とか。スタッフの振り返り時のヒントになったりすることもあるけど、一番は私の趣味です。
スタッフ写真
舞台裏的な写真。主に気を抜いているスタッフを撮るのが私の趣味です。後はRX100とかで辻斬り撮りしたりとかも好きだけど、今年は疲れたのでやらなかった。後はコーヒースタンドの縁の木さんとか。舞台裏写真みたいなもの。
環境写真
特に誰が主題であれとわからないもの、もしくは風景が主題となっていると構図からわかる写真は、風景写真と同じ扱いになります。その場合個人の肖像権が消えると判断されるケースが多いので、そういった写真を撮っておきます。
ハイブリッド開催での撮影経験
さて今年は、ハイブリッドでの開催でした。オンライン側とオフライン側両方の参加者があり、また時期的にも緊急事態宣言直前ってこともあり。オンライン参加がメインだったように思います。登壇者もオンラインで参加するのか、来場するのか情報がなく、開始後に会場を見てオンラインかどうかがわかるといった感じでした。 また、オンライン以外でも少し変更されたこととして、会場が一階と二階両方になったことです。去年も実は一階が合ったのですが、コーチーズクリニックに利用していただけだったので、時々思い出した時に行く程度でした。
経験カメラスタッフ一人、新カメラスタッフ二人、喜びと焦り
去年までのRSGTでは入れ替わりはあれど、カメラスタッフの顔ぶれはなんとなく同じ人達でやっていました、良くも悪くもなぁなぁでやっていました。というか出来ていました。が、今年のカメラスタッフ3人のうち、そもそもRSGTスタッフ経験があるのが、私だけでした。新しいカメラスタッフが増えたことは非常に嬉しいのですが、私には教育するためのキャパシティがありませんでした。そもそも、なぁなぁでやってたので、写真を撮るマニュアルがあるわけでもなく、全て今まで口伝で行われていた状態だったです。さらに追い打ちをかけるように、多くなったセッション会場に対してスタッフ数が足りていないのか、二日目などは私一人でカメラをやらないといけない状態になりました。とはいえ、やれることをやるだけなので、ノルマ的な写真を抑えつつやっていきましょうと、準備日に思ったのでした。
一階と二階の上下移動がきつい
去年も一階への移動があったので、上下階の移動は大したことはないと高をくくっていたのですが、実際にやってみると、これが思ったよりきつい。初日はレンズケースを持っていなかったので、望遠レンズと広角レンズの両方を持ち歩けず、セッションが始まるたびに、広角レンズで各セッションを一周し、次にスタッフルームで望遠レンズに切り替えてもう一周する、その度に上下階移動が入ります。最初は軽やかだった足も時間とともに重くなってきました。二日目からはレンズバッグで両方のレンズを持ち歩くようにしてたのですが、これはこれで上下階移動時の負荷が増します。
正直オンライン登壇者は撮り甲斐はない、今のところ
オンライン登壇者のことを悪く言うわけはないですが、写真映えはしません。zoom画面のスクリーンショットを撮るほうが綺麗になると思います。あくまでカメラスタッフをしている私目線ですが、セッション会場に入ってオンライン登壇者とわかったら、とりあえず一枚撮って(多分使わないけど一応)そして、少し徒労感を感じて次に移動する。重ねていいますが、当たり前の話ですがオンライン登壇者が悪いわけではないです、オンライン登壇者と現地を撮影する私のカメラ撮影との相性が悪いのです。
カメラ機材コンプレックス
毎年、RSGTに出る度に思うのですが、新しいカメラ機材が欲しい!特に今年はその気持が強くでました。
まず最初に、静音性。私のカメラは物理的にシャッター音がなるため、消音出来ません。去年までは会場側に人が多くいたので、私のシャッター音は喧騒に紛れていました。でも、今年はオンラインなので、高性能マイクで拾われたシャッター音が個人のヘッドホンにクリアに響いた可能性があります。また録画も前年度まではスタッフ用のものでしたが、今年からはチケット購入者も見るようになったので、シャッター音は極力消したほうがいいでしょう。ミラーレス一眼への買い替えがしたいなと思いました。
次にプロジェクターを綺麗に撮影することが出来ないことが気になります。オンライン登壇者は撮り甲斐がないと暴言を書きましたが、それはあくまで私のカメラでの話です。一眼レフの撮影技術はかなり進んでおり、細かいことは省きますが、最新のカメラであればプロジェクターに写っている登壇者と会場の様子を綺麗に写すことが出来ます。私のカメラですと、プロジェクター側が白トビするか、会場側が黒トビするかになってしまいます。嗚呼、最新のカメラが欲しい。
集合写真の限界。私のカメラα77はAPSCです。望遠側には強いセンサーサイズですが、逆に集合写真のような広角側には弱いのです。フルサイズカメラであれば、広角側に強くなります。今年は人数が少なくてよかったなと思いながら集合写真を撮りました。
最後は例年通りですが、シャッター速度が欲しいなと思うのです、望遠で撮ったりする時に、登壇者の方がよく動く時は非常に大変。ぶれてしまいます。シャッター速度がある程度欲しいのですが、そのためにはISO値が高いセンサーが必要です。
そんなに言うなら買えばいいじゃないかと思うでしょう。私もそう思います。でも私がフルサイズミラーレス一眼を買うときにはレンズもフラッシュも揃え直す必要があります。
- 超広角レンズ 380,920円
- 望遠レンズ用コンバーター 42,840円
- カメラ本体 大体400,000円
- フラッシュ 29,800円
合計85万円が最低見積なので、中々手が出ないんですよね。
来年について
来年もハイブリッドの場合、それまでにハイブリッドをより綺麗に写すための方法を考える必要がある。とはいえさらなる機材の限界が見えた以上、機材の更新が出来ないのならカメラスタッフとしては参加しないという手もある。純粋に参加者として参加してみたいという気持ちもあります。
結論を出すまでまだ時間はあるのだし、ゆっくり考えます。兎にも角にも今年は疲れた、皆様もお疲れさまでした。